東京よさこいとは
都心で響く、踊りの情熱と絆
豊島区民祭ふくろ祭りが産みの親
「東京よさこい」は、毎年秋に開催される豊島区 区民祭「ふくろ祭り」の1コンテンツとして2000年に誕生しました。ふくろ祭りは昭和43年に池袋西口駅前の区画整理が完了し、新しい活気ある街、楽しい街、綺麗な街、安心して歩ける街にしようと、地元有志によって誕生。毎年参加人数も多くなり今では日程を分けた2部制に移行。地元の鎮守 池袋御嶽神社の例大祭と同日程で第一部「御輿の祭典」として9月に。そしてよさこいを中心とした「踊りの祭典」として10月の第2土日に東京・池袋を中心に開催されています。

関東最大のよさこい祭りへ成長
東京よさこいは毎年110チーム、全国から集結した5000人の踊り子たちが、オリジナルの振付・衣装・音楽で街を彩り、観客とともに“踊る・感じる・つながる”熱い時間を創り出します。
もともとよさこいは高知県発祥の踊り文化。東京では、その伝統を尊重しつつも、より多様な表現・創作・交流を取り入れた「都市型よさこい」として進化してきました。企業チーム、大学サークル、地域団体、キッズチームなど、多様な背景を持つ参加者が、東京の街を舞台にひとつの舞を織りなします。
最大の魅力は、観客も一体となって楽しめる空気感です。会場ごとに異なる演出、飛び入り参加できる総踊り、そして全チームの全力のパフォーマンス。観るだけではない、「その場にいること自体が感動」になる仕掛けが随所に詰まっています。
東京よさこいが目指すのは、「誰もが主役になれる祭り」。
踊りで人と人をつなぎ、地域と地域をつなぎ、心と心を動かす。
それが、東京よさこいの鼓動です。
よさこいの歴史と、東京での進化
よさこいの原点は、1954年(昭和29年)に高知県で誕生した「よさこい祭り」にあります。
戦後復興の一環として、市民の元気と街の活気を取り戻すために企画され、「鳴子(なるこ)」を手にした踊りが高知の夏を彩りました。
「よさこい」とは、土佐弁で「夜さ来い(夜においで)」を意味し、人を呼び込む活気のある言葉として親しまれてきました。
その後、よさこいは全国各地に広がり、各地の文化や地域性を取り入れた“ご当地よさこい”へと進化していきます。踊りのスタイルも伝統的な型にとどまらず、J-POPやロック、和太鼓との融合、舞踏劇のような演出など、創造性と自由度の高い表現が特徴となりました。
東京よさこいは、そんなよさこい文化を都市型に再構築した新しいスタイルです。
都会の景観と調和した演舞構成や、チームの多様性、観客を巻き込む演出によって、「踊る人」「観る人」「街」が一体となる体験を生み出しています。

YOSAKOIソーラン祭りの誕生
きっかけは、たった一人の学生の想いから
1991年、北海道大学の学生が、大学の講義で「高知のよさこい祭り」を紹介されたことをきっかけに、
「北海道にもこんな祭りがあったら、札幌の街にもっと活気が生まれるのでは?」という想いを抱きました。
ソーラン節との融合
発案者は北海道の伝統民謡である「ソーラン節」と、高知の「よさこい」のスタイルを組み合わせることを発案。鳴子を手にしながら、北海道らしさを加えた自由な振付と音楽で表現する新しい形の祭り。それが「YOSAKOIソーラン」という名前で形になっていきます。
東京よさこいのみどころ
高知よさこい、YOSAKOIソーランの両方が楽しめる
開催地となる東京 池袋は高知へも札幌へも直行便でおよそ1時間20分の距離。いわば2大よさこいの中間地に位置します。出演する100を超えるチームも高知スタイルを主体にするチームもあればソーランスタイルを主体にするチームも多数。異なる二つのよさこい文化が混ざり合う都市型のよさこい祭りです。
項目 | 高知よさこい祭り | YOSAKOIソーラン祭り(札幌) | 東京よさこい(池袋) |
---|---|---|---|
開催時期 | 毎年8月 | 毎年6月上旬 | 毎年10月上旬〜中旬 |
開催地 | 高知市全域 | 札幌市中心部 | 池袋周辺 |
初開催 | 1954年 | 1992年 | 2001年 |
発祥の目的 | 戦後復興と地域振興 | 学生主導の街おこし | 都市型よさこい文化の発信 |
演舞スタイル | 流し踊り | 流し+定点演舞 | 定点+流し |
楽曲 | よさこい節ベース | ソーラン節+現代音楽 | 自由な楽曲構成 |
鳴子使用 | 必須 | 任意 | 任意 |
衣装 | 和装アレンジ | カラフル | 自由 |
観客動員 | 約100万人 | 約200万人 | 約60万人(推定) |
流し踊りとステージ踊り
2日目に行われる本祭は全7会場。そのうち4会場はスタートからゴールまで前進しながら踊る「流し踊り」、3会場はステージ上で観客に向かって踊る「ステージ踊り」で構成されています。メインの開催地となる池袋では5つの会場が徒歩5分圏内に密集しているため様々の会場を巡りやすくなっています。推しチームと共に行動するもよし、自分のお気に入り会場を見つけて様々なチームの演舞を見るもよし自分なりの楽しみ方を見つけてください。

涙と大熱狂の表彰式と総踊り
本祭のフィナーレはアゼリア通り会場で行われる表彰式。110チームの頂点に立つチームが発表されます。この日のために練習を重ねてきた踊り子が喜び、涙する場面に注目が集まります。また恒例となった総踊りでは東京よさこいオリジナル楽曲~ひふみ~で出演者・観客のみなさんで一緒に踊ります。池袋西口のメインストリートであるアゼリア通りがよさこいで埋め尽くされるその光景は圧巻です。ぜひ最後までご覧いただけると東京よさこいの魅力を最大限味わうことができると思います。